精密根管治療

根管治療とは

歯の中の歯髄(神経や血管)が通っている管を根管と言います。 歯髄は根の先端から歯の中に入って、歯の成長発育に重要な役割を果たします。 しかし大人になって歯が完成した後は歯髄がなくても根のまわりからの栄養供給によって歯は生存が可能です。
しかしお口の中には多数の細菌が生息しており、大きな虫歯や、歯の亀裂(歯ぎしりや食いしばりが原因)、歯を強い衝撃でぶつけるなどの外傷などで、歯髄が炎症や感染を起こした際に、根管治療(歯内療法)をする必要があります。
根管の炎症や感染をそのまま放置すると歯に痛みが生じたり、周囲の組織にも炎症が広がり、歯肉が腫れたりします。 場合によっては熱が出たり、リンパが腫れたり全身的にも影響が出ることもあります。
根管治療(歯内療法)によってこれらの症状が軽減されたり治癒が促進されたりするのです。

根管治療(歯内療法)では、悪くなった歯髄を除去して、根管内を注意深く清掃し、 再度の感染を防ぐために根の中に詰め物をします。このように歯髄を除去する治療法を『抜髄根管治療』と呼びます。

また以前に一度、根管治療が終了している根管が再び細菌感染を起こしてしまった場合にも、根管治療が行われます。この場合の治療法は『感染根管治療』と呼ばれます

当院の根管治療の特長

日本における根管治療の成功率は約50%と言われております。
その理由は、根管の形状は様々なパターンがあり非常に複雑で、木の根っこのような細かく枝分かれがあるからです。

その細かい根管内を肉眼と従来の二次元のレントゲンだけ治療するのは、非常に困難です。
当院では根管治療の際には必ず、肉眼のマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)または拡大鏡を使用しております。
また必要な場合はより詳細な診断が出来る3次元のCT撮影を行い、診断をしております。

マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)による精密治療は最大21倍の高倍率で、完全な直視下(目に見えている状態)において歯科治療が行えるので、むし歯の部分を削り残してしまったり、神経(根)の治療で消毒しきれない部分が出来てしまったりする心配がありません。
なお難治性の根管治療の場合はMTAセメント(mineral trioxide aggregate)を使用したり、歯根端切除術を行ったりする場合もあります。
このMTAセメントは歯に穴があいてしまったパーフォレーションの症例や、感染してない歯髄の保護にも使用出来る非常に成功率の高いセメントです。

より確実性のある精度の高い歯科治療がマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)で可能となりました。また歯科治療の最新トピックであるMI治療(歯をなるべく削らずに歯を残すための必要最小限の治療)がこのマイクロ精密根管治療において容易に可能となってきています。

当院の精密根管治療の流れ

  1. 最初に通常のレントゲン撮影を行い、必要な場合は3次元のCT撮影で原因となる歯の診査と根管治療の必要性を診断します。
  2. マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を使用して虫歯や古い詰め物やかぶせ物を除去します。
  3. 当院では、約90%の症例で3回以内での根管治療が完了しております。
  4. 根管治療が完了したら、新しい土台となるグラスファイバーの土台(コア)を築造します。
  5. その後形成印象を行い新しい被せ物をセットして完了となります。
    *根管治療したご自身の歯質が70%以上残っている場合は、当院では健康な歯を可能な限り残す治療法のコンポジットレジンの直接法(ダイレクトボンディング)で治療を行っております。

当院の精密根管治療の症例

奥歯に、虫歯による強い痛みが出て神経を抜いた症例

BEFORE

AFTER

患者様は20代の女性で右上6番目の歯がいつの間に虫歯になってしまい、痛みを感じて来院された症例です。
痛みの原因は歯髄腔(神経の部屋)まで到達した虫歯による細菌感染でした。

当院でマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を用いて抜髄根管治療を行い、根っこの先までお薬で緊密に封鎖しました。
治療後痛みも治まり噛んでも問題なかったので、この症例ではご自身の歯が多く残せる治療法の、コンポジットレジンの直接法(ダイレクトボンディング)で完了しました。

治療にかかった費用 精密根管治療  保険内なので3割負担で約8,000円 治療回数 3回
リスク副作用 歯牙や歯根の破折、リーマー(治療器具)の破損が起こる可能性があります。
将来再び痛みが出る可能性もありますが、ごく稀です。

過去に一度根管治療をしたが再び腫れや痛みが出て歯根端切除をした症例

BEFORE

AFTER

患者様は過去に他院で前歯の神経を抜く抜髄根管治療を受けましたが、その後数年して痛みや腫れが出て当院に来院されました。
レントゲンでみると神経がない左上の2番目の歯の根先部には、親指大の大きさの根尖病変が確認されました。
また該当歯には他院で治療された綺麗なラミネートベニアが補綴されていたので、そのラミネートベニアを触らない様にマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を使用して、裏側から小さく根管口にアクセスして感染根管治療を行いました。
症状は一度おさまりましたが、半年後再び痛みと腫れが出たので、患者様によくご説明させていただき外科的歯内療法の歯根端切除を行いMTAセメントにて逆根管充填を行いました。
術後4年経過したレントゲンでは、親指大ほどの大きさの病変があった部分に、綺麗に骨が再生されて治癒しているのが分かります。
その後痛みや腫れもなく順調に経過が推移しております。

治療にかかった費用 精密根管治療  保険内なので3割負担で約15,000円 治療回数 5回
リスク副作用 歯牙や歯根の破折、リーマー(治療器具)の破損が起こる可能性があります。
将来再び痛みが出る可能性もあります。